犯人の小林泰剛容疑者の写真がアップされている。
茶髪で顔つきもイケメン系?で、被害者女性もコロリと騙さ
れたのではないだろうか。自ら「ハーレムを作る。」と豪語
するほどの自信ぶりで、実際多数の女性をうまくおびき寄せ、
監禁・暴行したというのだ。
監禁事件 - Yahooニュース女性を2週間監禁 容疑の21歳男逮捕、ゲームまねる?監禁目的で部屋借りる 他の2人もチャットでまたこれらの女性の多くはどれもネットの「出会い系サイト」
をきっかけに知り合ったらしい。少女たちは自称経営者、モデ
ルという犯人の言葉を鵜呑みにして、自ら小林の家に転がり込
んだそうな。実際、彼の実家は裕福で前回にも、同じような事
件で起訴された時には、総額千二百万円の示談金を支払ったと
か。小林容疑者は少女を監禁させるような内容を含むアダルト
ゲームを数十本も所持していたらしい。妄想と現実の狭間で狂
気に触れてしまったのだろうか。
ここでまた、私は「トルーデさん」の話を再び思い出した。
(以下、昔話の深層・河合隼雄著を参考にあらすじを綴る)
あるところに若くて生意気な娘がいた。親のいうこともろく
に聞かないどうしようもないイタズラ娘。
ある日、彼女は思い立ったように両親に宣言した。
「あたし、トルーデさんのところへ行ってくる。みんなが
トルーデさんのところってとっても変わってるって言うから、
行ってみたくなっちゃった。行かなくちゃ気がすまないわ。」
両親はそんなこととんでもない、と止めたのだが娘はその制止
を振り切って飛び出してしまう。
トルーデさんのところに行く前に娘は三人の恐ろしい人を
見かける。黒い男に緑の人、真っ赤な人の三人。
そしてトルーデさんの部屋に入る前、トルーデさんが恐ろしい
魔女の姿をしていたことを告白する。
その瞬間、魔女は再び恐ろしい姿を現して、魔法で娘を棒切れ
に変える。そして釜の火の中に投げ込んでしまうのである。
残されたのは魔女ひとり、そして魔女は喜びながら叫ぶ。
「やあれ、明るいこと明るいこと!」
少女の好奇心は計り知れない。ネットで知り合った大金持ち。
容姿はカッコよく、女性の扱いに馴れた悪魔の囁きに騙され
てついフラフラと自ら足を運んでしまったのだ。家出した時、
まさか恐怖の監禁地獄の扉がその先にあるとも知らず、彼女
の顔は未来への明るい希望で満ち溢れていたのかもしれない。
小林容疑者は当然、極刑にされて然るべき悪魔だとは思う。
しかし、そんな危険な「出会い系」にフラフラと出て行って
しまう少女にも非はないだろうか。トルーデさんのところに
行きたがる少女を、制止できなかったご両親に非はないだろ
うか。
この世は天国であり、地獄でもある。七つの大罪にもあらわ
されているように、欲望の先には地獄が待ち構えているのだ。
うますぎる話には必ず闇色の欲望がこびりついている。
小林容疑者が生きたゲームと同じようにネットもまた幻想。
「出会い系」のこうした暗部を見極めておかねばならない。
紹介書籍:
少女監禁―「支配と服従」の密室で、いったい何が起きたのか